アメリカで働くコンサルタントの本棚

主にM&Aやグローバルビジネスに携わり、USCPAを取得。仕事や自己啓発で役に立つ本や情報等を紹介します。

財務・会計

公認不正検査士(CFE)の取得

先日、USCPAの延長として、公認不正検査士を取得しました。 公認不正検査士(CFE: Certified Fraud Examiner)は、ACFE (本部:米国テキサス州) が認定する不正の防止・発見・抑止の専門家であることを示す国際的な資格です。 CFE(公認不正検査士)の概要 –…

USCPA CPE (継続教育)の教材について

前回書いたUSCPAライセンスのCPE取得にあたり、CPE教材を提供しているサービスをご紹介します。 NASBA (全米州政府会計委員会)は、CPE教材を提供する会社を登録制にしています。要件を満たした会社を以下のサイトに公開しており、Registry IDで登録されてい…

USCPA ライセンス更新時のCPE単位(ワシントン州)

前回のライセンス更新手続きで述べたCPE単位について、少し補足したいと思います。 ライセンスを維持するためには、所定の期間内にCPE(継続教育)に取り組み、必要な単位数を満たす必要があります。私が登録しているワシントン州は120単位が必要です。 こち…

USCPA ライセンスの更新について

週末、USCPAのライセンス更新手続きをしました。ライセンス取得から3年が経過したためです。 私が登録しているワシントン州からは、更新期限が近づくと登録している住所・メールに案内が届きました。そして、所定の期間内の1月~4月末にオンライン上で更新手…

USCPA 2024年に大きな試験制度の変更か

今週、NASBA及び米国のメディアで"2024年からUSCPAの試験制度を大幅に見直す"可能性がある、というニュースがありました。 これは、今週開催されたNASBAの取締役会で試験制度の見直しを決議したことを受けたものです。 NASBA Board of Directors Makes Cruci…

USCPA ライセンス取得時の学歴審査

学歴審査は、以前に当ブログで書いたとおり、米国以外の教育機関で取得した単位が米国の大学の単位に相当するかを判定する手続きです。 USCPA 学歴審査(NIES)について - アメリカで働くコンサルタントの本棚 学歴審査はライセンス登録を行う州で行う必要が…

USCPA ライセンス登録する州の選択

USCPAのライセンス取得に向けて、先ず大事なのはどの州でライセンス登録を行うかを決めることです。 ライセンス取得にあたっては、主に次の選択肢があります。 試験に合格した州でライセンス要件を満たしてライセンス登録をする 試験に合格した州の実績をト…

USCPA ライセンス取得までの流れ

しばらく間が空いてしまいましたが、今回、USCPAのライセンス取得までの主な流れを書きます。 USCPAの試験合格後、ライセンス取得に向けて取り組むこととして、大きく以下の点があります。 ライセンス取得に必要な単位の確認(学歴審査)及び追加取得 AICPA…

USCPA ライセンス取得について

先日、米国公認会計士(USCPA)のライセンスを取得することができました。準備を始めてから約7ヶ月間、合格実績をニューヨーク州からワシントン州にトランスファーして取りました。仕事を優先して手続きを進めたため、少し時間はかかりましたが、目標だった年…

USCPA 学歴審査(NIES)について

現在、USCPA関連の手続きのため、NASBA International Evaluation Services(NIES)の学歴審査を進めています。今回は、学歴審査について少し書きたいと思います。 学歴審査とは USCPAは、受験時の学歴要件として必要な単位数が州毎に定められています。この…

USCPA 試験結果の通知時期 (2018.4-12:更新版)

先日お伝えしたコンピュータ試験のソフトウェア・アップグレードの影響により、2018年のQ2-Q4 Windows(4-12月)の試験結果の通知時期が少し遅くなります。 今後の受験可能な日程及び科目ごとの試験結果の通知時期は次のとおりです。 CPA Examination Score …

USCPA コンピューター試験のアップグレード

AICPAから、2018年4月1日よりUSCPAのコンピューター試験のソフトウェアがアップグレードされることが発表されました。 www.aicpa.org 併せて、AICPAのサイトでサンプルテストも公表しており、本番の試験前に新しいソフトウェアの操作性を試すことができます…

Amazon、GEの決算発表

現在、アメリカ企業の第4四半期の業績発表が活発化しています。その中で、対照的な2つの企業に注目したいと思います。 Amazon Amazon が2/1に発表した2017年10-12月期決算は、売上高が38%増の604億ドル、最終利益が248%増の18億ドルとともに過去最高となりま…

富士ゼロックス不適切会計 - リース取引の問題点

先日、富士フィルムHDの第三者委員会による調査報告書が公表されました。 富士ゼロックスの海外販売子会社の会計処理に関する調査報告書 http://www.fujifilmholdings.com/ja/investors/pdf/other/ff_irnews_20170612_003j.pdf 富士ゼロックスのニュージーラ…

USCPA 試験結果の通知時期 (2017.7-12:更新版)

USCPAの新試験制度が2017年4月から始まりました。 最初の試験期間である4-5月(Q2 Window)については先日終了したところですが、そちらの試験結果の通知時期及び今後の受験可能な日程が公表されています。 FAQ: CPA Exam Score Release Timeline - AICPA Q2…

企業戦略を読み解く1: Tesla

今回から、主に海外企業を中心に業績やニュース等から各企業の戦略を読み解きます。 第一回目は、Teslaです。 概要 Teslaは、米国シリコンバレーに本拠を置き、電気自動車の設計から製造・販売までを手掛ける会社です。同社の最新モデルの電気自動車は、画期…

USCPA コンピュータ試験(CBT)

USCPAは、現在、コンピュータの画面上に出題される問題を答えるコンピュータ形式の試験(CBT: Computer-Based Test)になっています。 このコンピュータ形式の試験については、普段の学習環境とは異なるため、初めて受験される方などは受験の際に少し戸惑う…

4: 「不正会計」対応はこうする・こうなる

2015年の不正会計の発覚に端を発した東芝の経営危機は、二度の決算発表の延期という異例の事態を経て、いよいよ多額の損失が生じる主因となったウェスティングハウス社の破産法申請手続きに入る局面となりました。 「選択と集中」を掲げて半導体で国内首位、…

USCPA 英文会計の急所 3: Goodwill

英文会計で特に気を付ける"急所"の第三回目は、Goodwillです。 概要 Goodwillは、日本語ではのれん、企業の買収や合併等の際に支払われる金額と対象企業の純資産の差額です。 この差額は企業のブランドや品質などから生じる超過収益力を表し、無形固定資産(…

USCPA 新試験制度の留意点(更新版)

いよいよ、USCPAの新試験制度が2017年4月1日から始まります。 新試験の開始に先立って、AICPAからも最終的な試験制度の概要について公表されています。 新試験制度の概要(PDF) http://www.aicpa.org/BecomeACPA/CPAExam/DownloadableDocuments/next-cpa-ex…

USCPA 英文会計の急所 2: Inventory / Work in Progress

今回も、私がこれまでの経験を基に英文会計で特に気を付ける"急所"を記します。 第二回目は、InventoryとWork in Progressです。 概要 Inventoryは、日本語では棚卸資産、製造・販売等のために保有している資産であり、いわゆる在庫です。 製造業のように仕…

財務・会計分野における人工知能の活用

最近、財務・会計分野における人工知能の活用も進んでいます。 特に財務・会計ソフトにおいては仕訳の自動化、銀行口座・クレジットカード等のデータの自動取得等を人工知能等を用いて実現する企業が現れています。 例えば、最も有力なクラウド会計ソフトの"…

USCPA 英文会計の急所 1: Account Receivable

今回から、私がこれまでの業務や学習等を通じて経験してきた英文会計の実例とその中で特に気を付けるポイント("急所")を連載します。 USCPA試験の学習にも役立つことを目指しています。 第一回目は、Account receivableです。 概要 Account receivable(AR…

人工知能による記事の自動作成 (決算、天気等)

日経新聞は、年始の記事で「人工知能(AI)による決算記事の作成を始める」ことを公表していましたが、早くも1月25日から「完全自動 決算サマリー」としてAIによる各企業の決算のサマリー記事の公開を始めました。 このプロジェクトは、日経新聞と言語理解研…

USCPA Written Communication対策

2017年4月から導入されるUSCPAの新試験では、BECは選択問題(MC)の比率が85→50%に下がり、残り50%はTask-Based Simulation(TBS、35%)とWritten Communication(WC、15%)によって採点されます。 WCの配点比率・問題数は変わりませんが、難易度が相対的に…

監査法人による人工知能の活用

昨年末、監査法人トーマツが監査にビッグデータを活用する対象企業を上場している全顧客 900社に拡大する、というニュースがありました。 トーマツ、ビッグデータ監査を拡大 上場する全顧客900社対象 :日本経済新聞 昨年中には、トーマツ以外にも新日本監査…

USCPAの独学について

今回は、USCPAの独学について考えてみます。 先ず結論から言うと、個人的にはUSCPAに独学で合格することは可能だと思います。(実際、ネットを見ても独学で合格している方が何名もいらっしゃいます。) 問題だけならば、前回紹介したような海外の過去問題集…

USCPA 日本受験の留意点

2011年以降、USCPAは日本のテストセンターで受験することができます。それまでは試験を受けるには米国まで行かなければならなかったことを考えると、本当に有難いです。 日本で受験する場合、NASBA(National Association of State Boards of Accountancy)の…

USCPAの学習教材(問題集)

以前にも少し書きましたが、私がUSCPA試験に向けて使った教材は、基本的に「予備校のテキスト」と過去問題が載っている「Bisk CPA Review」の2種類だけでした。 先ずテキストで各科目の主な内容を理解し、その上で過去問題集を繰り返しやることが最も効果的…

USCPA活用の実体験

この一週間、実際の仕事の中でUSCPAが活きた経験を幾つかしました。 一つめは、海外企業のメンバーと議論をした時です。相手は英国、ドイツ、スペインの財務会計、経営戦略の責任者でした。その中で、お互いの会社の管理会計の相違点や共通化等について話し…