渋谷で働くコンサルタントの本棚

M&Aや海外ビジネス等に携わり、USCPAも取得しました。以前はコンサルタント等として働きながら、イギリスのDLMBA(遠隔学習のMBA)でも学びました。仕事、勉強などの中で見つけた役に立つ本や情報等をご紹介します。

電子マネーが開くモバイルマーケティングの可能性

首都圏の交通機関では「Suica」&「PASMO」が急速に普及している。またセブン・イレブンが「nanaco(ナナコ)」、イオンが「WAON(ワオン)」を開始するなど、各企業が電子マネーへの取り組みを進めている。


各企業が電子マネーに取り組む理由は何か?決済が素早くできる(レジ等の待ち時間が短くなる)、お釣りなどの現金を取り扱う事務が省ける、新サービスによる先進性をアピールする、などのいくつか理由が挙げられるが、実際に電子マネーを導入するためには多額のシステム運営費や、加盟店にも手数料が必要になるなど負担も大きい。この点を考慮すると、これらの理由が企業にとって電子マネーの利用を進める十分な動機になっているとは考えにくい。


私は、キーワードは「モバイル」、「ポイント」であると考える。
現在発行されている主要な電子マネーは、WAONを除いては全てケータイアプリが用意されており、例えばnanacoは携帯経由で入会すれば発行手数料が無料(カードタイプなら300円)、JR東日本モバイルSuicaのプロモーションに力を入れるなど、各社ともモバイル向けの電子マネー導入を積極的に展開している。


「モバイル」と電子マネーの組み合わせにより何が良いのか?携帯電話の”画面”から電子マネーの残高や利用履歴をいつでも確認できたり、紛失時などでも遠隔操作で利用停止できるなど、通信機能を持つモバイル端末と決済手段が組み合わさることによる利点はいくつかある。


しかし、企業にとって最大のメリットは、携帯電話という最も身近なメディアを通して、顧客に直接訴えることができること、携帯電話の高度な機能を利用して顧客の動向をより詳しく把握することができることではないだろうか。そして、これを各企業の運営する「ポイント」サービスと結びつけることにより、今まで実現していなかった本格的なモバイルマーケティングが誕生するのである。


具体的にはどのようなものになるのか?
5月28日に公表されたNTTドコモファミリーマートの提携に、その一端が垣間見える。
報道発表資料 : ファミリーマートとドコモが資本提携および業務提携に合意 | NTTドコモ
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携帯電話事業者であるNTTドコモは、自らが発行する電子マネー「iD」をファミリーマートの店舗及びインターネット決済に利用できるようにするだけでなく、
ファミリーマートのポイントカードに「iD」を提供
ファミリーマートのiD利用者向けに各種特典を提供
(電子クーポンの「トルカ」も同時に全レジに対応)
・ファミマートのカード会員全員を対象として「ケータイ会員証」を発行、ファミリーマートにおけるおサイフケータイを活用したCRM構築も共同検討
することとしている。


これにより、例えばファミリーマートのケータイ会員の携帯電話に対して、日時・店舗利用履歴・利用地域・金額などに応じてクーポンや広告配信を行なうなど、より精度の高いマーケティング活動を展開することができる。同様の動きとしては、日本マクドナルドも自社会員に対して、ピンポイントでのクーポン配信を試みようとしている。
ITmedia ビジネスモバイル:マクドナルドに「iD」「トルカ」を導入──マクドナルドとドコモがe-マーケティングの新会社 (1/2)


また、携帯電話の高度な機能を利用すれば、将来的には位置情報を活用したリアルタイムのクーポン・広告配信、ワンセグ放送を活用した商品紹介・決済なども実現するだろう。


このように、携帯電話などの「モバイル」端末と「ポイント」サービス、そしてその媒介となる電子マネーサービスは非常に相性が良く、これが各企業がこぞって電子マネーに取り組む理由であると考える。


現在はまだ目新しさが先行して電子マネーが利用されている段階であるが、今後電子マネーが普及し、ポイントサービスに必要なインフラが整った時点で、私達は今まで体験したことが無い、便利で快適な顧客サービスを利用できるようになるだろう。

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