今回は、2017年4月から導入される新試験による、日本人受験生の合格可能性への影響を考えたいと思います。
以前にこちらのブログで書いたとおり、新試験の主な変更点は次のとおりです。
- 試験時間が、全て4時間になる(BEC, REGが3時間→4時間に変更)
- 配点が、選択式(MC) 50%、シミュレーション 50%になる
- シミュレーションにドキュメントレビュー形式(DRS)の問題が導入される
それでは、この変更に伴って試験の難易度や合格可能性は大きく変わるのでしょうか?
私の結論としては、試験までの勉強方法は変わるものの、最終的な日本人の合格可能性に大きな影響はない、と考えます。
日本人の場合、通常はどうしてもネイティブの方に比べて英語力が劣ります。そのため、現在の戦略は「配点が高いMCで高得点をとり、シミュレーションでは大きく取りこぼさない」という方法を取っている方も多いと思います。
この場合、今回の変更では英語の読解力・スピードをより求められるシミュレーションの配点比率が増すため、日本人受験生には不利に働くと考えられます。特に英語の分量が多いREGでは若干影響があると考えられます。
一方で、これまでの試験でもシミュレーションの問題は常に出題されています。今回ドキュメントレビューが加わっても1問程度(多くて2問)でしょう。つまり、大半のシミュレーションはこれまでと同様の正答率になると考えられます。
その場合、変更前後で実際の得点に与える影響を考えてみます。
FARを例として、仮に従来はMC 85、シミュレーション 60を獲得できていたとすると、
・MC 85 ×60% + シミュレーション 60 × 40% = 75
となり、合格基準の75点をクリアすることができます。
これに対して、今回の新制度でMC、シミュレーションの配点が50%づつになるため、
・MC 85 ×50% + シミュレーション 60 × 50% = 72.5
となり、合格基準まで2.5点足りなくなります。
一見すると大きな問題のように思いますが、試験制度が変わっても2-3点の影響だけ、という見方もできるかと思います。実際、いろんな方の合格体験記を見てみると、合格した方は少なくとも2-3点以上の余裕を持って合格しており、この影響によって合格率が大きく下がるということは無い、と考えます(私も最低点は79点でした)。
もちろん、シミュレーションの比率が高まるため、普段からシミュレーションの過去問も解いておく(特にREG)など勉強方法を少し変えていく必要はある思いますが、これまで通りの力を身につけていけば、新試験でも十分に合格できると考えます。
したがって、新試験になりますが、あまり気負わずに取り組むのが良いと思います。