アメリカで働くコンサルタントの本棚

主にM&Aやグローバルビジネスに携わり、USCPAを取得。仕事や自己啓発で役に立つ本や情報等を紹介します。

4: デジタルトランスフォーメーション

人工知能やIoT(モノのインターネット化)などの最新技術の進展に伴い、情報のデジタル化が益々進んでいます。また、そうした情報を利用/提供するユーザー側でも、スマートフォン等による利便性の高い製品・サービスを求めるようになっています。

 

その結果、GoogleやAmazon、Uber、Airbnb、Spotifyなどデジタル技術を活用して新たなサービスを提供し、従来の市場環境を一変させる「Disruptor」と呼ばれる企業が急成長を遂げています。

 

本書では、そうしたデジタル技術が普及していく時代に対応するために、自社の戦略や組織をどのように変革していくかを提言しています。 

デジタルトランスフォーメーション

 

前半部分は、海外・日本の事例を交えながらデジタル化の動向を俯瞰的に記しており、市場環境を把握するのに役立ちます。私も日々キャッチアップするよう務めていますが、例えば日本のベンチャー企業 UPQなど、カバーしている範囲が広いため新たな発見もありました。

 

加えて、 本書のポイントは後半部分のデジタル戦略と専門組織作りに関するアプローチにあります。日本企業がデジタル技術の進展に十分に対応できていない、またそうした危機感も高まっていない、という実情を踏まえながら、どのような観点を重視して戦略を作るべきか、そして戦略を推進する専門組織の必要性を訴えています。

特に組織作りについては、デジタル組織の形態(4つ)だけでなく、他部門との連携やその組織に所属するメンバーの構成・マインドセットまでに言及している点は、こうした組織作りに実際に携わったからこそ書ける内容だと感じました。

 

今後、デジタル技術を活用して企業・組織を変えていきたいと真剣に考えている方にはぜひ参考にしていただきたい一冊です。