アメリカで働くコンサルタントの本棚

主にM&Aやグローバルビジネスに携わり、USCPAを取得。仕事や自己啓発で役に立つ本や情報等を紹介します。

財務・会計分野における人工知能の活用

最近、財務・会計分野における人工知能の活用も進んでいます。

特に財務・会計ソフトにおいては仕訳の自動化、銀行口座・クレジットカード等のデータの自動取得等を人工知能等を用いて実現する企業が現れています。

 

例えば、最も有力なクラウド会計ソフトの"Freee"では、顧客のデータを基本的に クラウド上に蓄積することにより、日常の経理処理から決算、申告までを自動化・効率化しています。

その上で、人工知能技術を活用し、蓄積したデータや過去の取引を基に自動で勘定科目を推測、仕訳を作成する機能も提供しています。これにより、会計の担当者は作業時間を削減できます。

 

さらに、同社の狙いは仕訳の自動化にとどまらず、

経理作業の効率化

  • 不良債権の自動検知
  • 不正データの自動検知
  • 消込の自動化

経営意思決定支援(自動化を含む)

  • 資金繰りシミュレーション
  • 人工知能経営分析
  • 自動与信設定
  • ビジネスマッチング
  • リクス分析
  • 補助金レコメンド

など、幅広い範囲に人工知能等を活用し、企業経営・バックオフィス全体の効率化支援を目指しています。こうした試みの一部はまだ構想段階に留まっていると思いますが、同社は特許取得、増資による研究・開発等を積極的に進めるなど、大変興味深い動きを進めています。

corp.freee.co.jp

 

こうした取り組みは、Freeeだけにとどまらず、同じく有力なクラウド会計ソフトの"MFクラウド会計"でも人工知能技術を活用した勘定科目の推奨機能を提供したり、老舗の会計ソフトである"TKC"でも銀行・クレジットデータ等の自動取り込みや仕訳の学習・例示機能などをすでに実現しています。

『MFクラウド会計・確定申告』、機械学習を活用した「勘定科目提案機能」をバージョンアップ 〜仕訳のビッグデータをもとに、より精度の高い自動仕訳が可能に〜 | 

企業向けFinTechサービス | TKCの会計ソフト「FXシリーズ」 | TKCグループ

 

財務・会計分野は、まだまだ人手による入力や確認、判断などもあり、人工知能を始めとする最新技術の活用により効率化・自動化できる余地が多くある分野だと思います。

USCPAとして、財務・会計分野における人工知能の活用可能性を今後、更に探っていきます。