日経コンピュータが新年号(2017年1月5月号)で、「人工知能100」という30ページ超の特集を組んでいますが、これがとても良くまとまっています。
日本での幅広い業種における人工知能の活用事例を写真付で紹介するとともに、今後の技術動向、社会に与える影響に関する専門家の意見等が掲載されています。
紹介されている主な活用事例は、具体的には、
- オークマ: 工作機械の制御装置にAIによる異常検知を搭載
- キューピー: マヨネーズなど食品製造ラインの異物混入検査にAI(TensorFlow)を活用したシステムを導入
- 野村證券: 機関投資家向けアルゴリズム取引システムにAI(Chainer)を実装し、5分後の株価の動きを予測
- 静岡のきゅうり農家: 自作の仕分けシステム(TensorFlow)により、きゅうりの等級を自動的に判定
- 飲食店のエスプリ・ド・エスプリ: インターネットで公開されているレシピを基に、独自のAIシステムを活用してクレープの生地とクリームの最適な配分を決定
- 東京大学 ヒトゲノム解析センター: 医療研究に関する論文・特許データを基に、AI(Watson)を活用してがんの原因となっている遺伝子の特定に利用
などになります。また、この他にも数多くの事例が紹介されており、製造、食品、小売、金融、医療などの幅広い業種でAIが急速に普及していることが分かります。
また、それぞれの用途に合わせて画像識別にはGoogleのTensorFlow、予測はPreferred NetworksのChainer、質問応答はIBMのWatosonなどが活用されている点も非常に興味深いです。
ネット上では、残念ながら日経コンピュータDigitalに申し込まないと読めないようですが、現在の人工知能の動向を網羅的に把握する上では大変参考になる特集です。