アメリカで働くコンサルタントの本棚

主にM&Aやグローバルビジネスに携わり、USCPAを取得。仕事や自己啓発で役に立つ本や情報等を紹介します。

RPA(Robotic Process Automation)の活用可能性

現在、Robotic Process Automation(RPA)の活用が少しづつ広がっています。

 

RPAとは、ルールエンジンやAI、機械学習などを活用して、これまで人間が実施してきた業務を代替・自動化する取り組みであり、仮想知的労働者(Digital Labor)とも言われます。

現時点のRPAは大量のデータ処理や事務作業等の効率化・自動化を指すのが一般的であり、AIによる高度な判断・処理の自動化とは分けて考えられてます。

 

そうした性質上、RPAには継続的に生じる定型的な業務等が適しています。例えば、

  • 見積書、請求書発行等の営業事務
  • 給与・賞与計算、経費精算等の人事事務
  • 日次/週次/月次の報告書作成
  • 顧客リスト等の名寄せ処理
  • ダイレクトメール等の定型的なメール応答
  • Webサイトのリンク、メーリングリストの管理

などが挙げられます。

 

こうした業務は、多くの顧客を抱える銀行や証券会社、保険会社などで適用できる範囲が多く、既に日本生命や三菱東京UFJ銀行等の大手金融機関でもRPAの活用が始まっています。また、海外においても同じような業種でRPA適用が進んでいます。

(参考までに、以下のWebサイトや同社の書籍にも事例が記載されています。)

RPA(ロボットによる業務自動化)とは | RPA テクノロジーズ株式会社

 

更に、これらの業務は現在、BPO(Business Process Outsourcing)で外部企業に委託したり、コールセンターでまとめて対応しているものが多く含まれます。

BPOは中国・インド・フィリピンなどにアウトソーシングしている場合も多くありますが、今後はRPAの活用によって業務の一部を自動化し、コスト削減や品質向上を図る企業も出てくるでしょう。

 

一方で、現状ではRPAだけで効率化・自動化できる業務はそれほど多くはありません。従って、業務の中で既に使用されているソフトウェアやシステム、あるいは複数のRPA(AI)間で連携して業務を処理することができる"コンビネーション"が非常に重要になってきます。

企業では、すでにSNSやクラウド上のWebサービス、あるいは独自に構築したシステムなどが多く利用されていますので、これらと連携できればRPAの活用場面も更に広がるでしょう。

 

日本では、AIに比べてRPAはまだあまり知られていませんが、大企業だけでなく中・小規模の企業や、オフィス内の身近な業務にも適用できるためRPAの活用可能性は高く、今後も注目の分野です。