先日、ソフトバンクがGoogle傘下のBoston Dynamicsの買収を発表しました。更に本取引の一環として、日本企業のSchaftを買収することにも合意しています。
Boston Dynamics、Shaftともに歩行型ロボットを開発する企業として非常に有名です。四足歩行型ロボットの"Big Dog"を始め、Boston Dynamicsのロボットはテレビでも取り上げられているため、目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
Boston Dynamics | Boston Dynamics
また、Shaftも"東大発のロボットベンチャーがGoogleに買われた"と、買収当時(2013年)は話題になりました。
今回の2社買収の合意は、ソフトバンク・Googleの思惑が一致した結果だといえます。
Googleにとっては、ロボットの事業化を進めていた副社長のアンディ・ルービン氏が退社してからは、ハードウェアのロボット開発からは遠ざかっていました(同社のフォーカスは、AIや車の自動運転等に既に移っています)。
一方で、ソフトバンクは有名なPepperをはじめ、ロボット事業に本格的に乗り出しています。以前に当ブログの記事でも紹介したように、Pepperの課題の一つは自由に動き回ることができる"自立移動"を実現することであり、今回の2社買収はその課題解決に貢献することでしょう。
ただし、ソフトバンクの狙いは"歩くPepper"の実現だけに留まらないでしょう。
Boston Dynamics等の歩行技術は、軍事目的の過酷な条件でも耐えられる程、高度なものです。現在の可愛らしいPepperは主に商業施設やコミュニケーション用途で活躍していますが、その用途向けには補って余りあるものです。
そのため、ソフトバンクとしてはPepperや今回のロボット開発2社に加えて、今後もロボット技術を持つ企業の買収を進めて、商業から産業、政府等の幅広い業務に活用できるロボットを自社グループ傘下に揃えることだと考えます。
今後も、ソフトバンクのロボット事業の展開に注視していきたいと思います。