アメリカで働くコンサルタントの本棚

M&Aや海外ビジネス等に携わり、USCPAを取得しました。以前はコンサルタント等として働きながら、イギリスのDLMBA(遠隔学習MBA)も学びました。仕事、勉強、オフなどの中で見つけた役に立つ本や情報等をご紹介します。

Amazon、レジ無し決済 "Just Walk Out"技術を販売へ

今週、レジ無し店舗のAmazon Goで使われている決済テクノロジー"Just Walk Out"が外部の小売店に販売されることが明らかになりました。

 

CNBCによると、最初の導入店舗はニューヨークのニューアーク空港内にある売店のCIBO Expressで、3/16から提供予定です。また、その後に同空港やラガーディア空港内の他店舗に展開を見込んでいるそうです。

www.cnbc.com

 

Just Walk Outは、Amazon Goで培ったテクノロジーの結晶であり、買い物客が手にした商品の識別からバーチャル・カート上での管理、レジを利用しない自動精算などを実現します。従来のAmazon Goと異なる点として、Amazonのアカウントを作らなくてもクレジットカードで精算できるようにしました。つまり、Amazonがオンライン店舗で導入していたことを、実際のリアルな店舗でも実現したものと言えます。Amazonは、Just Walk Outを外部に販売する方針を既に発表しています。

www.justwalkout.com

 

Amazonでは、これまで自社のECサイトを誰でも出品できるようにしたり、ECサイトのインフラであったAmazon Web Services(AWS)をクラウド・サービスとして提供するなど、自社技術を外部に展開することで更に事業を拡大してきました。

今回のJust Walk Outも、自社の決済ソリューション&ビッグデータを小売の実店舗に幅広く展開する動きとして注目しています。

 

Squareを支える小口ローンビジネス - Square Capital

アメリカは、今やファーマーズマーケット、フードトラック、個人商店など、どこでもカードで支払いができます。それを支えているのは決済サービスのSquareです。

 

Squareの主力ビジネスは、スマホ、タブレットを利用したカード決済です。基本となるカードリーダーは無料で配布し、アプリをダウンロードすれば誰でもすぐにカード決済が使える環境を提供して、急速に利用者を伸ばしてきました。

 

Squareの特徴は、分かりやすい料金体系です。Squareは決済サービスの料金を分かりやすく示すことで、主なターゲットの中小企業や個人事業主が安心して利用できるようにしました。2020年3月時点で、米国でのクレジットカード取引の手数料は2.6% + 10セントです

米国

squareup.com

日本 

squareup.com

 

現在は、カード決済に加えてPoSレジやデータ分析などの便利な機能も提供し、個人や中小企業だけでなく、スターバックス等の大手企業にも利用が広がっています。また、米国以外にカナダや英国、日本でもサービス展開中です。

 

その中で、同社を支えているもう一つのビジネスとして注目したいのがSquare Capitalです。

これは、Squareの利用者である中小企業や個人事業主に対して、銀行などの金融機関が提供できない数百ドルからの小口ローンを提供するものです。

小口ローンには、以前から給与や取引先への支払い、設備投資等において根強い需要がありますが、一方で金額が比較的小さく、与信審査も難しいことから、従来の金融機関では充分な対応が取りにくい領域でした。

これに対して、Square Capitalでは従来の審査に頼ることなく、自社の決済データを活用してカード取引量の増減や利用頻度を見ることで、必要な時にすぐ小口ローンを提供できるようにしました。また、ローンの返済が滞っても、カード決済の債権から自動的に回収することで貸し倒れリスクを抑えています。

 

その結果、Square Capitalの利用は広がり、過去2年間で1,000億円・10万件以上の貸出実績がある、同社を支えるもう一つの主力ビジネスに成長しています。

squareup.com

 

Squareに代表されるフィンテック企業は、既存のビジネスをデジタルに置き換えるだけではなく、そこから得られるデータを活用した新たなビジネスも開拓しています。今後も、こうした企業の動向に注目していきたいと思います。

オンライン・エクササイズの雄 - Peloton

現在、世界中でコロナウィルスの影響が広がり、運動不足になっている方も多いのではないかと思います。

 

その中で、今回はアメリカで人気を集めているオンライン・エクササイズPelotonを紹介したいと思います。

www.onepeloton.com

 

Pelotonの特徴は、

  • オンラインにつながったフィットネス機器(バイク、トレッドミル)
  • SNS機能を持つ独自フィットネス・アプリ
  • 豊富なエクササイズ・プログラム

を組み合わせることで、単調で飽きやすくなる運動の習慣を「いつでも・どこでも」やる気を維持しながら続けられるようにしました(月間の解約率は1%未満)。

 

特にエクササイズ・プログラムは、スタジオで撮影した人気インストラクターの豊富な動画を配信しています。(2020年2月末現在、バイク・ランニング・ヨガ等の10カテゴリーで、33人のインストラクターがいます。)以前に流行った「ビリーズブートキャンプ」の最新作が次々に楽しめるといったイメージです。

www.onepeloton.com

 

また利用しやすいようにバイク、トレッドミルは分割払いで58ドル/月から購入でき、サブスクリプション型のオンラインレッスン(37ドル)と合わせても、月100ドル以下で最先端のエクササイズが楽しめる点が人気につながっています。

www.onepeloton.com

 

 

実際、Pelotonの利用者は全米各地に広がっており、35歳以下・平均年収 75千ドルと比較的若くてよりお手頃なサービスを求める世代を中心に人気が広がっているようです。(またアメリカは国土が広いため、近くにジムが無い方にも利用しやすいのではないかと見ています。)

 

このPelotonのビジネスモデルは、会社にとってもメリットが多く、 

  • 大きなコストがかかるスタジオ施設を用意する必要がない
  • 利用者増加に合わせてインストラクターを増やす必要がない
  • エクササイズ・プログラムを繰り返し利用できる

というサブスクリプションモデルの強みを兼ね備えており、今後、利用者が増えるほど収益が拡大していくことが期待できます(なお、現時点では赤字です)。そのため、Pelotonも同じ英語のプログラムが使用できるカナダや英国、ドイツからグローバル展開を始めています。戦略を考えると、日本への展開は少し先ではないでしょうか。

 

Pelotonは、エクササイズだけでなく、そのビジネスモデルにも注目していきたいと思います。

 

追伸

その他のオンライン・エクササイズで人気を集めている会社にはMirrorもあります。

こちらはオンラインに接続した鏡(実はディスプレイ)から様々なレッスンが流れるというものです。ドラえもんの道具みたいですね。また機会があれば、こちらも紹介したいと思います。

www.mirror.co

 

アメリカのプロスポーツリーグで最も稼げるのは?

今回は、少し気楽にアメリカのプロスポーツのトピックです。

 

アメリカではアメリカンフットボール(NFL)、野球(MLB)、バスケ(NBA)、ホッケー(NHL)が4大プロスポーツリーグと言われていますが、この中で選手の平均年収が最も高いのはどのスポーツでしょうか。

 

正解は、バスケのNBAです。2018-2019年シーズンの平均年収で比べると、

  • NBA: $ 7.8M(約8.6億円)
  • MLB: $ 4.5M(約5.0億円)
  • NFL: $ 2.9M(約3.2億円)
  • NHL: $ 2.8M(約3.1億円)

となっています。

 

その理由の一つは、選手の数です。上位3つのリーグで登録できる選手数を比べると、NFL 53名MLB 25名に対して、NBA 15名と狭き門になっています。

 

さらに年間のレギュラーシーズンの試合数についても、NFLの256試合(32チーム×16試合)に対して、NBA 1,230試合(30チーム×82試合)、MLB 2,430試合(30チーム×162試合)と多くなっています。

 

その結果、アメリカで最も人気があり、放映権料収入や観客動員が多いのはNFLですが、選手から見るとNBA、MLBの方がより稼げるスポーツとなっています。

 

加えて、バスケについては、中国を始めとして世界各国で人気があります。そのため、スター選手はシューズ等のスポンサー契約を締結することで多額の報酬を得ることも期待できます。

 

その他にも、スター選手は超大型契約(Supermax contract)が可能など、他のプロスポーツには無い特徴もあります。

www.youtube.com

 

今年からNBAでは、八村塁選手が日本人で初めてドラフト一巡目指名を受けて、入団後も活躍を続けています。ぜひこれからも素晴らしいプレーを続けてほしいですね!  

 

Amazon Go Grocery、シアトルにオープン!

今週、Amazonが食品スーパーのAmazon Go Groceryをシアトルに新たにオープンしました!

www.amazon.com

 

これまでのレジ無し店舗 Amazon Goを更に発展させたもので、広さは約4倍になり、取り扱い品も従来の加工食品、ドリンク、お菓子などに加えて、野菜・果物などの生鮮食品、惣菜、酒類なども扱うようになりました(そのため、商品入れ替えの従業員も店内には居るようです。)

 

これまでのAmazon Goが都市型のコンビニであるのに対して、Groceryは都市や郊外でも展開できるスーパーとなっており、より多くの店舗拡大が見込まれます。

 

調べてみると、従来のAmazon Goも既にシアトル、サンフランシスコ、ニューヨーク、シカゴ等の都市で24店舗を展開しているのですね(2020年2月末 現在)。

Amazon Go Store @ Amazon.com

 

今後、Amazonがリアルの世界でもスーパーやコンビニ(ミニマーケット)、中小規模の商店などの脅威となりそうです。

 

追伸

実際の店舗の様子は、こちらのオープン当日に行った方の記事がご参考になります。

かなりAmazon Goに似ていますね。機会があれば、ぜひ私も行ってみたいと思います。

thebridge.jp

Next Jobs - 自動運転車のドライバー

少し前になりますが、Bloomberg Technologyの特集で、自動運転車のドライバーの仕事を取り上げており、興味深かったため紹介します。

 

現在、アメリカの西海岸ではGoogle, Tesla, Uberなどの企業が自動運転の実現に向けて競うように取り組んでおり、街中でも日常的に自動運転車を見かけます。これらの車にはまだドライバーが乗っており、自動運転に必要な技術開発を進めています。

 

特集で取り上げているのは、そのうちの1社であるAurora Innovation。ベイエリアに本拠があり、自動運転を実現するためのソフトウェアを開発している企業です。

aurora.tech

 

自動運転車には大型のセンサーが取り付けられており、周囲の自動車やヒト、モノなどを検知します。 

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自動運転車には2名1組のドライバーが乗っており、街中を巡回しながら1名がハンドルを握って運転の微調整や急停車に備えて、もう1名がモニターを見ながら周囲の物体を正しく検知し、予測通りに運転が行われているかを常にチェックしています。

決して手を離して運転席に座っているだけの楽な仕事ではないようです(笑)。

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またオフィスに戻った後も、ドライビングの結果を開発部門にレポートして技術開発に活かしたり、自動運転車が使用するマップに反映するなど、常に改善が続けられています。

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まだ実現には至っていない自動運転ですが、こうした各企業の日々の取り組みを見ると、私たちの目の前に現れるのも遠くない時期であると強く感じます。

 

Bloomberg Technology

Next Jobs - How Cars Learn to Drive Themselves

www.bloomberg.com

 

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