アメリカで働くコンサルタントの本棚

主にM&Aやグローバルビジネスに携わり、USCPAを取得。仕事や自己啓発で役に立つ本や情報等を紹介します。

シリコンバレーでの新型コロナウィルス動向の見える化

 新型コロナウィルスが拡がる中、各国の政府や地方自治体では感染動向の公開を進めていますが、シリコンバレーが位置する米国のサンタクララ郡では、ダッシュボードを用いたデータ分析・感染動向の見える化に一早く取り組んでいます。

www.sccgov.org

 

例えば、次の画面は代表的な新型コロナウィルス感染者数のダッシュボードです。

日別・累計の感染者数に加えて、年齢・性別・地域などのデータもビジュアルを用いて誰にでも分かりやすい形で示しています

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COVID-19 Cases Dashboard

 

また、市町村別の感染者数も個別に掲載しており、住民が自分の住んでいる感染動向を日々、確認できます。

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その他にも、病院の病床数や空き状況、検査実施数や陽性率なども公開されています。

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Hospital Dashboard

 

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Laboratory Testing Dashboard

 

シリコンバレーがあるベイエリアは、米国内でも最も早く新型コロナウィルスの感染者が確認されたこともあり、他に先駆けて3/16に自宅待機令が出されました。

また、大手のIT企業も先行して全面的にリモート勤務に切り替え、スタンフォード大学も3/9にオンライン授業に移行しました。

こうした早めの対策と情報公開が功を奏して、同地域の感染者数・死亡者数は大幅に少なく、米国内でもその有効性が注目されています。

 

日本でも、東京都などが感染動向の情報公開に取り組んでおり、詳しい情報が入手できるようになりつつあります。こうした政府機関のデータ分析や情報公開の取り組みは、大変参考になると思います。

ステイホームを支えるUberの新サービス - Uber DirectとUber Connect

世界各地で自宅待機が続いていますが、Uberでは自宅待機中の人々の生活を支える新たなサービスを発表しました。Uber DirectUber Connectです。

 

www.uber.com

 

このうち、Uber Directは、従来のUber Eatsを拡大したものであり、レストランの料理のデリバリーに加えて、小売業者と提携して食料品や医療品などを利用者の自宅に届けるサービスです。例えばニューヨーク市内で、オンライン薬局のCabinetと提携し、市販薬を配送する取り組みを始めました。

現在、配送可能な商品はこちらで確認できます。

https://www.ubereats.com/new-york/food-delivery/cabinet-downtown/S_hekSeeTy-lS0BmHXRSKA

 

またUber Connectは、離れた場所にいる家族や友人などにDoor-to-Doorで荷物を送ることができるサービスです。日本の宅配便に似たサービスと言えますが、現在は多くの国で食料の買出し等を除いて外出が制限されているため、集配センター等に持ち込むことなく、自宅から配送できるサービスのニーズは非常に強いと感じます。

以下は、Uberが公表した利用のイメージです。通常のUberのアプリ上にConnectも現れるようです。

現在、米国やオーストラリア、メキシコなどの25以上の都市で利用可能です*

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どちらのサービスもまだ始まったばかりであり、これから利用可能なエリア・商品も拡がっていくはずです。

新型コロナウィルスの影響が続き、接触を避けて安心して利用できるサービスを求める声がますます広がる中、Uberなどが提供する新たなサービスが私たちの生活に不可欠になっていくと考えます。

 

補足

2020年4月時点で、Uber Connectは以下の都市で利用可能とされています(一部のエリアに限られます。)

  • 米国: オースティン、ボルティモア、シカゴ、ダラス、デンバー、ヒューストン、マイアミ、ニューオーリンズ、オーランド、フェニックス、サンアントニオ、タンパベイ、ワシントンDC
  • オーストラリア: ブリスベン、メルボルン、パース
  • メキシコ: メキシコシティ、プエルト・バジャルタ、ティファナ 

One World: Together At Home

先日お伝えした"The iHeart Living Room Concert"に続いて、新たに米国時間の4/18にコロナウィルス拡大防止の新たなチャリティ・イベント、"One World: Together At Home"が開催されます。

 

今回はレディ・ガガが監修し、エルトン・ジョンポール・マッカートニースティーヴィー・ワンダービリー・アイリッシュなどが参加します。

www.globalcitizen.org

www.universal-music.co.jp 

Amazon Prime、YouTube、Apple、Facebook、Instagram、Twitterなど、ほぼすべての主要ストリーミングサービスで配信される予定です。本イベントは、主催者がWHOと非営利団体のGlobal Citizenであるため、日本でも視聴可能だと思います。


チャリティ・イベントとしては、1985年に行われた伝説の"LIVE AID"に匹敵する世界的なイベントになりそうです。ぜひ見逃さずに、注目してください。

DeepL - AIで極めて自然な日本語翻訳を実現

ドイツのAI企業 DeepLが、3月下旬から日本語の翻訳サービス"DeepL翻訳"を提供開始しましたが、その精度の高さに驚き、頻繁に利用するようになりました。

www.deepl.com

 

実例の一つとして、以下のCNN記事をDeepLとGoogleでそれぞれ翻訳してみました。

Japan coronavirus: People won't work from home until Shinzo Abe makes them - CNN

DeepL翻訳

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DeepL

Google翻訳

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Google 翻訳

DeepLは「埼玉県の隣県」という箇所に誤訳はありますが、その他に大きなミスはありません。Googleも同様に大きなミスは無いですが、最終段落の文章のつなぎなどが一部不自然な印象を受けます。

 

どちらの訳文も、かつての翻訳サービスと比べるとかなり改良されていますが、DeepLの方がより自然な文章に近くて読みやすく、精度も極めて高いため、私は自分の書いた英文を翻訳にかけて意味が伝わるか、というチェックに主に活用しています。

 

DeepLは、4/2にもブラジルポルトガル語を追加するなど対応言語を増やしており、また有償プラン“DeepL Pro”を利用すれば、文字数制限がなくなる等のサービスを受けられます(例えば、ビジネス文書や契約書の翻訳が利用しやすくなります)。

 

翻訳サービスは以前から色々試していますが、AIにより遂に実用に耐え得る高いレベルのサービスが登場した、と強く感じています。

 

追伸

有償プランのDeepL Proですが、残念ながら未だ欧州圏以外では利用できないようです。大変良いサービスなので、私の地域でも使えるようになったら、すぐに利用したいと思います。

The iHeart Living Room Concert

コロナウィルスの影響が広がる中、米国ではエルトン・ジョンがホストとなり、医療機関や患者、子供たち等を支援するチャリティ・イベント、"The iHeart Living Room Concert"が開催されました。

 

マライア・キャリーバック・ストリートボーイズ、今年のグラミー賞を受賞したビリー・アイリッシュなど有名アーティストが参加(レディ・ガガもメッセージで登場)。

news.iheart.com

 

一番の特徴は、自宅待機が続く米国の現状を考慮して、各アーティストがそれぞれ自宅のリビングルームから曲を披露したり、メッセージを呼びかけたことです。

普段と異なる、アーティストの素の一面が垣間見えるとともに、困難な状況の中でも皆で力を合わせて乗り越えよう、というメッセージを強く感じました。

 

YouTubeでも一部視聴できるため、ぜひご覧ください。

マライア・キャリーの圧巻のパフォーマンス(自宅スタジオから)

www.youtube.com

各アーティストのパフォーマンスのビデオ・クリップ

www.youtube.com

Amazon、レジ無し決済 "Just Walk Out"技術を販売へ

今週、レジ無し店舗のAmazon Goで使われている決済テクノロジー"Just Walk Out"が外部の小売店に販売されることが明らかになりました。

 

CNBCによると、最初の導入店舗はニューヨークのニューアーク空港内にある売店のCIBO Expressで、3/16から提供予定です。また、その後に同空港やラガーディア空港内の他店舗に展開を見込んでいるそうです。

www.cnbc.com

 

Just Walk Outは、Amazon Goで培ったテクノロジーの結晶であり、買い物客が手にした商品の識別からバーチャル・カート上での管理、レジを利用しない自動精算などを実現します。従来のAmazon Goと異なる点として、Amazonのアカウントを作らなくてもクレジットカードで精算できるようにしました。つまり、Amazonがオンライン店舗で導入していたことを、実際のリアルな店舗でも実現したものと言えます。Amazonは、Just Walk Outを外部に販売する方針を既に発表しています。

www.justwalkout.com

 

Amazonでは、これまで自社のECサイトを誰でも出品できるようにしたり、ECサイトのインフラであったAmazon Web Services(AWS)をクラウド・サービスとして提供するなど、自社技術を外部に展開することで更に事業を拡大してきました。

今回のJust Walk Outも、自社の決済ソリューション&ビッグデータを小売の実店舗に幅広く展開する動きとして注目しています。