2017年4月から導入されるUSCPAの新試験では、BECは選択問題(MC)の比率が85→50%に下がり、残り50%はTask-Based Simulation(TBS、35%)とWritten Communication(WC、15%)によって採点されます。
WCの配点比率・問題数は変わりませんが、難易度が相対的に高いTBSが加わるため、WCで確実に得点を取ることがこれまでよりも求められます。
今回は、USCPA試験に合格することに絞って、BECでの実践的なWritten Communication対策を書きます。
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1. WCの問題に沿って書式を事前に決めておく
WCの問題は、監査法人の上司や同僚、顧客の経営陣等に対して簡易なレポートで質問回答やアドバイスをする、というのが典型的なパターンです。多少、問題毎に聞き方が異なっていても、回答はほぼ同じような形になります。
そのため、特にネイティブの方に比べて英語を書くスピードが劣る日本人の場合、回答の書式を事前に決めておく方法が有効です。
例えば、私の場合は、基本パターンとして次のような書式を決めていました。
To: xxx
Subject: xxxWe would like to inform you about [問題のトピック].
[トピックのキーワード]
Please do not hesitate to contact me at any time if you require further information.
Best regards,
[自分の名前]
本番でも、真っ先に全ての問題にこの書式で回答を書き、あとは残された時間内で覚えている限りの「キーワード」を書きました。
2. 頻出するトピックのキーワードを整理しておく
次いで大事なのは、いかに「キーワード」の部分を埋められるか、という点です。
ただし、この点は正直、実際の試験ではどのような問題が出るか分かりませんし、かなり幅広いトピックが出題されているようです。
私の場合も、本番では「Balanced Scorecardとは何か」という頻出トピックの他に、「新興国におけるSales Strategyの影響を分析せよ」という問題も出ました。
出題される問題を予想するのは難しく、選択問題の学習を通じて知識を増やしていくことが最善ですが、その中でも頻出するトピックのキーワードを事前に整理しておくことで、本番でも焦らずに対応することができます。(私のケースも、ズバリの回答は難しくても、Salese Strategyの分類を知っていれば、回答の何割かは埋められます。)
過去問題集などには次のトピックが出題されています。先ずこれらのキーワードを事前に整理しておくと良いでしょう。
- Role of audit committee in Sarbanes-Oxley Act (SOX)
- Committee of Sponsoring Organizations (COSO) Framework
- Market structure / Business cycle
- Fixed and variable costs
- Classification of manufacturing costs
- Standard costing
- Activity-based costing (ABC)
- Nature of spoilage
- Delphi method
- Disaster recovery plan
- Network topologies
3. 限られた時間内で書けるように予め練習しておく
最後に、WCで最も避けるべきは「回答に何も書かない」、「時間切れで途中で終わってしまう」ことです。このような場合、どんなに優れた内容を書こうとしていても、採点上はマイナスになってしまいます。
そのため、たとえ残り時間がわずかでも、限られた時間内に何かを書けるように練習しておくことが大事だと考えます。とは言っても、実際に本番までの学習時間も限られますので、万全な準備をするのは難しい方も多いと思います。
先ずは選択式の勉強を進めて、直前でも1)事前に決めた書式に沿って、2)頻出トピックについて覚えているキーワードを時間内に書き出す、という練習ができれば良いのではないでしょうか。
私もスケジュールが遅れ気味で、受験直前の週末に1-2日程度、ようやく時間を測りながら練習できた程でした。それでも上述の方法で何とか時間内に全ての問題に回答することができました。
(なお、本番ではWCに約30分だけ残りました。あまり時間が短いと焦ってしまうので、少なくとも20-30分程度は残すのが望ましいと思います。)
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これまでBECは選択式の配点比率が高かったため、殆どWC対策をしなくても合格することもできました。
しかし今後は配点比率の見直しに伴い、選択式の得点を補うためにもWCでも少なくとも約50%程度の得点を目指す必要があると考えます。そのための効率的な学習方法の参考になれば幸いです。