アメリカン・フットボールの本場、アメリカのNFLシーズンも佳境を迎えてきました。
今週末にAFC、NFCの両カンファレンスの決勝(Conference championships)を行い、2月5日にヒューストンで開催されるスーパーボウルの出場チームが決まります。
今回は、プロスポーツの最先端にあるNFLにおける人工知能・ビッグデータの活用事例を紹介したいと思います。
NFLでは、世界のプロスポーツで初めて、2015年シーズンから全ての選手にRFID(無線自動認識) のチップを防具に装着し、試合中の全選手の動きのデータを収集することができるようになりました。
そして、2016年シーズンから、少しづつ集めたデータの解析結果をWebサイト上で公開し、各チームのみならず、ファンにもより試合が楽しめるような取組みを進めています。
このデータは"NFL's Next Gen Stats"と名付けられており、その結果がWebサイト上に公表されています。
例えば、最近では今シーズンに最も優秀なワイド・レシーバー(WR)が誰だったか、各WRがルート通りに走った実績を基にランキングしており、今週のAFC Championshipに出場するPittsburgh SteelersのAntonio Brownが堂々の一位に選出されています
これらのデータは各チームの戦術やチーム作り、選手の評価等に使われていくことは間違いありません。さらに観戦する側であるファンにとってもどの選手が優れているか、どのような戦術が取られるかなど、試合への興味を増すことにつながると思います。
加えて、将来的には集めた膨大なデータを基に、最も成功確率が高いプレーを人工知能により自動的に選択するなど、更なる活用の可能性も広がります。
今後、サッカーや野球など他のスポーツにも同様の動きが広がっていくと思われますが、このNFLの取り組みはスポーツにおけるビッグデータ・人口知能活用の先進的な事例と言えます。