アメリカで働くコンサルタントの本棚

主にM&Aやグローバルビジネスに携わり、USCPAを取得。仕事や自己啓発で役に立つ本や情報等を紹介します。

オンライン・エクササイズの雄 - Peloton

現在、世界中でコロナウィルスの影響が広がり、運動不足になっている方も多いのではないかと思います。

 

その中で、今回はアメリカで人気を集めているオンライン・エクササイズPelotonを紹介したいと思います。

www.onepeloton.com

 

Pelotonの特徴は、

  • オンラインにつながったフィットネス機器(バイク、トレッドミル)
  • SNS機能を持つ独自フィットネス・アプリ
  • 豊富なエクササイズ・プログラム

を組み合わせることで、単調で飽きやすくなる運動の習慣を「いつでも・どこでも」やる気を維持しながら続けられるようにしました(月間の解約率は1%未満)。

 

特にエクササイズ・プログラムは、スタジオで撮影した人気インストラクターの豊富な動画を配信しています。(2020年2月末現在、バイク・ランニング・ヨガ等の10カテゴリーで、33人のインストラクターがいます。)以前に流行った「ビリーズブートキャンプ」の最新作が次々に楽しめるといったイメージです。

www.onepeloton.com

 

また利用しやすいようにバイク、トレッドミルは分割払いで58ドル/月から購入でき、サブスクリプション型のオンラインレッスン(37ドル)と合わせても、月100ドル以下で最先端のエクササイズが楽しめる点が人気につながっています。

www.onepeloton.com

 

 

実際、Pelotonの利用者は全米各地に広がっており、35歳以下・平均年収 75千ドルと比較的若くてよりお手頃なサービスを求める世代を中心に人気が広がっているようです。(またアメリカは国土が広いため、近くにジムが無い方にも利用しやすいのではないかと見ています。)

 

このPelotonのビジネスモデルは、会社にとってもメリットが多く、 

  • 大きなコストがかかるスタジオ施設を用意する必要がない
  • 利用者増加に合わせてインストラクターを増やす必要がない
  • エクササイズ・プログラムを繰り返し利用できる

というサブスクリプションモデルの強みを兼ね備えており、今後、利用者が増えるほど収益が拡大していくことが期待できます(なお、現時点では赤字です)。そのため、Pelotonも同じ英語のプログラムが使用できるカナダや英国、ドイツからグローバル展開を始めています。戦略を考えると、日本への展開は少し先ではないでしょうか。

 

Pelotonは、エクササイズだけでなく、そのビジネスモデルにも注目していきたいと思います。

 

追伸

その他のオンライン・エクササイズで人気を集めている会社にはMirrorもあります。

こちらはオンラインに接続した鏡(実はディスプレイ)から様々なレッスンが流れるというものです。ドラえもんの道具みたいですね。また機会があれば、こちらも紹介したいと思います。

www.mirror.co

 

アメリカのプロスポーツリーグで最も稼げるのは?

今回は、少し気楽にアメリカのプロスポーツのトピックです。

 

アメリカではアメリカンフットボール(NFL)、野球(MLB)、バスケ(NBA)、ホッケー(NHL)が4大プロスポーツリーグと言われていますが、この中で選手の平均年収が最も高いのはどのスポーツでしょうか。

 

正解は、バスケのNBAです。2018-2019年シーズンの平均年収で比べると、

  • NBA: $ 7.8M(約8.6億円)
  • MLB: $ 4.5M(約5.0億円)
  • NFL: $ 2.9M(約3.2億円)
  • NHL: $ 2.8M(約3.1億円)

となっています。

 

その理由の一つは、選手の数です。上位3つのリーグで登録できる選手数を比べると、NFL 53名MLB 25名に対して、NBA 15名と狭き門になっています。

 

さらに年間のレギュラーシーズンの試合数についても、NFLの256試合(32チーム×16試合)に対して、NBA 1,230試合(30チーム×82試合)、MLB 2,430試合(30チーム×162試合)と多くなっています。

 

その結果、アメリカで最も人気があり、放映権料収入や観客動員が多いのはNFLですが、選手から見るとNBA、MLBの方がより稼げるスポーツとなっています。

 

加えて、バスケについては、中国を始めとして世界各国で人気があります。そのため、スター選手はシューズ等のスポンサー契約を締結することで多額の報酬を得ることも期待できます。

 

その他にも、スター選手は超大型契約(Supermax contract)が可能など、他のプロスポーツには無い特徴もあります。

www.youtube.com

 

今年からNBAでは、八村塁選手が日本人で初めてドラフト一巡目指名を受けて、入団後も活躍を続けています。ぜひこれからも素晴らしいプレーを続けてほしいですね!  

 

Amazon Go Grocery、シアトルにオープン!

今週、Amazonが食品スーパーのAmazon Go Groceryをシアトルに新たにオープンしました!

www.amazon.com

 

これまでのレジ無し店舗 Amazon Goを更に発展させたもので、広さは約4倍になり、取り扱い品も従来の加工食品、ドリンク、お菓子などに加えて、野菜・果物などの生鮮食品、惣菜、酒類なども扱うようになりました(そのため、商品入れ替えの従業員も店内には居るようです。)

 

これまでのAmazon Goが都市型のコンビニであるのに対して、Groceryは都市や郊外でも展開できるスーパーとなっており、より多くの店舗拡大が見込まれます。

 

調べてみると、従来のAmazon Goも既にシアトル、サンフランシスコ、ニューヨーク、シカゴ等の都市で24店舗を展開しているのですね(2020年2月末 現在)。

Amazon Go Store @ Amazon.com

 

今後、Amazonがリアルの世界でもスーパーやコンビニ(ミニマーケット)、中小規模の商店などの脅威となりそうです。

 

追伸

実際の店舗の様子は、こちらのオープン当日に行った方の記事がご参考になります。

かなりAmazon Goに似ていますね。機会があれば、ぜひ私も行ってみたいと思います。

thebridge.jp

Next Jobs - 自動運転車のドライバー

少し前になりますが、Bloomberg Technologyの特集で、自動運転車のドライバーの仕事を取り上げており、興味深かったため紹介します。

 

現在、アメリカの西海岸ではGoogle, Tesla, Uberなどの企業が自動運転の実現に向けて競うように取り組んでおり、街中でも日常的に自動運転車を見かけます。これらの車にはまだドライバーが乗っており、自動運転に必要な技術開発を進めています。

 

特集で取り上げているのは、そのうちの1社であるAurora Innovation。ベイエリアに本拠があり、自動運転を実現するためのソフトウェアを開発している企業です。

aurora.tech

 

自動運転車には大型のセンサーが取り付けられており、周囲の自動車やヒト、モノなどを検知します。 

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自動運転車には2名1組のドライバーが乗っており、街中を巡回しながら1名がハンドルを握って運転の微調整や急停車に備えて、もう1名がモニターを見ながら周囲の物体を正しく検知し、予測通りに運転が行われているかを常にチェックしています。

決して手を離して運転席に座っているだけの楽な仕事ではないようです(笑)。

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またオフィスに戻った後も、ドライビングの結果を開発部門にレポートして技術開発に活かしたり、自動運転車が使用するマップに反映するなど、常に改善が続けられています。

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まだ実現には至っていない自動運転ですが、こうした各企業の日々の取り組みを見ると、私たちの目の前に現れるのも遠くない時期であると強く感じます。

 

Bloomberg Technology

Next Jobs - How Cars Learn to Drive Themselves

www.bloomberg.com

 

Amazonの次なる成長戦略 - ヘルスケア

成長を続けているAmazonですが、現在、新たに進出を試みている分野があります。

それがヘルスケア市場です。

 

私が注目している動きの一つは、Amazonが米国の従業員向けにパイロットで提供しているAmazon Careです。

amazon.care

 

アメリカでは、日本のような公的医療保険制度がないため、個人や会社等で医療保険にに加入する必要がありますが、仕組みが複雑であり、医療コストが高止まりするなど様々な問題を抱えています。

 

こうした問題を解決するため、Amazonでは自ら医療保険を設立しました。そして、加入者に対してビデオやチャット等による遠隔医療、必要に応じた医師の訪問医療、自宅へのクスリ配送等のサービスを提供し、医療コストを抑える取り組みを進めています。

 

また、Amazonでは2018年に買収したオンライン薬局のPillPackも活用し、利用者の自宅までクスリを届ける仕組みを着実に整えています。

www.pillpack.com

 

この取り組みはまだパイロット段階ですが、Amazonが培ってきたインターネット商取引やAIアシスタント(Alexa)の強みが活かせる上、医療サービス・薬の提供から医療保険まで全てAmazonだけでカバーできるようになるため、従来のヘルスケア市場を大きく変える可能性があります。引き続きAmazonの動きに注目していきたいと思います。

USCPA ライセンス取得について

先日、米国公認会計士(USCPA)のライセンスを取得することができました。
準備を始めてから約7ヶ月間、合格実績をニューヨーク州からワシントン州にトランスファーして取りました。仕事を優先して手続きを進めたため、少し時間はかかりましたが、目標だった年内に無事に取得することができました。

 

ライセンス取得を目指した一番のきっかけは、USCPAとして自分が得た知識・経験を目に見える形に示したい、と考えたためです。

現在、仕事で米国をはじめ海外企業とやり取りをする機会が格段に増えました。その際、名刺等に「USCPA」と明記できることで、初対面の相手にも自身に何ができるかを分かりやすく伝えることができます。対外的に公表できるかどうかは、ライセンスの有無の大きな違いだと思います。


次回から、ライセンス取得するまでの経験を書きたいと思います。これからUSCPAを目指す方や、USCPA試験に合格後、ライセンス取得を検討している方の参考になればと思います。