以前にGEのインダストリアル・インターネットに向けた取り組みを紹介しましたが、今週(2017.04.10号)の日経ビジネスでは、GEのデジタル工場を特集しています。この特集は、実際の工場内の様子を写真付きで載せているため、大変分かりやすいです。
"ブリリアント・ファクトリー"、"スマート工場"とも呼ばれる取り組みは、工場内のあらゆる設備/機器をつなぐ、さらには工場自体をネットワーク(GEの場合はIoTプラットフォームの"Predix")につないで、製造業の生産性を飛躍的に高めようというものです。
今回の特集でも、米国(グローブシティ)、日本(日野)にあるそれぞれの工場で、RFIDやセンサーを使って各工程の作業状況を測り、それをリアルタイムでデータを共有・管理し、カイゼン活動につなげている様子が分かります。
今回取り上げられている取り組みの特徴としては、
- IoTを用いて工場内のあらゆる作業をデータとして収集する(デジタル化)
- 集めたデータをリアルタイムで共有・分析できる(見える化)
という点が挙げられます。これにより、従来は人手による計測等で時間を要していたもの(あるいは計測ができなかったもの)もすぐに把握できるようになり、ミスを事前に防いだり、ムダな作業を減らすカイゼン活動をより短いサイクルで実現できるようになります。
加えて、今回の特集では取り上げられていませんが、今後は蓄積したデータを活用することで、作業自体をヒトからロボットで実現する動き(自働化)も更に加速していくと思います。
最終的には工場内にとどまらず、製品の受発注や生産管理システム自体とつないでいくことで製品のサイクル全体での最適化を図っていくことが可能になります。工場のデジタル化は、その実現に向けた取り組みの一つといえます。
(補足)
GEの提唱する"ブリリアント・ファクトリー"構想は、こちらでも詳しく載っています。
「IT経営」の次は「OT経営」 キーワードはデジタルスレッド - GE Reports Japan